1. 基本特性
- 化学組成:Al₂O₃(アルミニウム酸化物)
- 結晶系:六方晶系
- モース硬度:9(ダイヤモンドの10に次ぐ)
- 比重:3.97〜4.05
- 屈折率:1.762〜1.770
- 分散度:0.018
2. 色と品質評価
ルビーの価値は主に4Cで評価されます:
- Color(色):鮮やかな赤色が最も価値が高い
- Clarity(透明度):内包物が少ないほど高価値
- Cut(カット):光の反射を最大化する優れたカット
- Carat(重さ):大きいほど希少で高価
色の分類
- ピジョンブラッド:最高級の深い赤色
- バーマルビー:ミャンマー産の高品質ルビー
- タイルビー:やや褐色がかった赤色
3. 産地と特徴
産地 | 特徴 |
---|---|
ミャンマー(ビルマ) | 最高品質、透明度が高い、鮮やかな赤色 |
タイ | 暗めの赤色、褐色がかっている場合も |
スリランカ | ピンクがかった色調、高い透明度 |
アフリカ(モザンビーク等) | 近年注目の産地、品質にばらつきあり |
4. 加熱処理と非加熱ルビー
加熱処理の効果
- 色の改善:より鮮やかな赤色に
- 透明度の向上:内包物の一部を溶解
- クラックの修復:微細な亀裂を埋める
非加熱ルビーの特徴
- 市場の約5%以下の希少性
- 自然な内包物パターン(シルクなど)
- 加熱ルビーより高価値
5. 歴史と文化的意義
- 古代:護符や装飾品として珍重
- 中世ヨーロッパ:王冠や宝飾品に使用
- 現代:7月の誕生石、40周年結婚記念の象徴
6. 投資価値と市場動向
- 希少性の増加:採掘量の減少により価格上昇傾向
- 高額取引例:5.00カラットのビルマ産ルビーが1カラットあたり約1,300万円で落札(2015年)
- 将来性:天然の非加熱ルビーの価値は今後も上昇が予想される
7. ルビーの取り扱いとケア
- 日常的なお手入れ:柔らかい布で拭く
- 保管:他の宝石と接触しないよう個別に保管
- 定期的なプロのクリーニング:年に1〜2回推奨
- 注意点:急激な温度変化や強い衝撃を避ける