ノーヒートルビーとは
ノーヒートルビー(非加熱ルビー)は、人工的な加熱処理を施されていない天然のルビーを指します。自然のままの美しさと希少性が特徴で、市場に流通するルビーの約90%以上が加熱処理済みであるため、非加熱ルビーは非常に貴重です。
ノーヒートルビーの特徴
- 自然美: 加熱処理をせずとも美しい色と透明度を持つ。
- 希少性: 全体の約5~10%程度しか流通しておらず、高額で取引される。
- 内包物: シルクインクリュージョン(針状ルチル)が残ることが多く、非加熱の証拠となる。
価値を決める要素
ノーヒートルビーの価値は以下の4つの要素で評価されます。
- 色: 鮮やかで濃い赤色が最も高く評価される。特に「ピジョンブラッド」と呼ばれる濃厚な赤色は最高級品とされる。
- 透明度: 内包物が少なく透明度が高いものほど価値が上がる。
- 重さ(カラット): 宝石は重さが大きいほど価値が高くなる。
- 輝き: カットや内包物によって左右されるが、色や透明度ほど評価への影響は大きくない。
ノーヒートルビーと加熱ルビーの違い
特徴 | ノーヒートルビー(非加熱ルビー) | 加熱ルビー |
---|---|---|
処理の有無 | 加熱処理なし。天然のまま。 | 高温で加熱され、色や透明度を改善。 |
色合い | 自然な赤色で透明度が高い。 | 加熱により発色が鮮明で濃くなる場合あり。 |
希少性 | 非常に希少(市場全体の約5~10%)。 | 市場の大半を占める(約90%以上)。 |
内包物(インクルージョン) | シルクインクリュージョンが残ることが多い。 | 加熱によって内包物が溶けたり変質する場合あり。 |
価値 | 高額で取引されることが多い。 | 非加熱品より安価な場合が多い。 |
ノーヒートルビーの主な産地
ノーヒートルビーは以下の国々で主に産出されています:
- ミャンマー(ビルマ): 世界最高品質の「ピジョンブラッド」ルビーを産出。モゴック鉱山とモンスー鉱山が有名。
- モザンビーク: モンテプエス地区から美しい赤色のルビーを産出。
- ベトナム: 大理石を母岩とする美しい色合いのものが採掘される。
- スリランカ: 河川堆積物から採掘され、淡い色合いながら非加熱品も存在。
- タイおよびカンボジア: 玄武岩を母岩とする暗めの色調のものもあり。
- アフリカ地域: タンザニアやマダガスカルなどでも産出される。
購入時の注意点
ノーヒートルビーはその希少性から非常に価値がありますが、購入時には以下の点に注意してください:
- 鑑別書付きの商品を選ぶ: 信頼できる鑑別機関による証明書付きの商品を購入することが重要です。
- 信頼できる販売元: 偽装品を避けるため、信頼のおけるブランドや専門店から購入しましょう。