モルガナイトは、淡いピンクから青みがかったローズピンクまでの色調を持つ宝石で、その透明感と多色性が特徴です。エメラルドやアクアマリンと同じベリル(緑柱石)族に属し、マンガンの含有によって特徴的なピンク色を呈します。2021年12月に日本で4月の誕生石として追加され、注目を集めています。
基本情報
- 化学組成:Be3Al2Si6O18
- モース硬度:7.5〜8
- 屈折率:1.577〜1.583
- 宝石言葉:愛情、優美、清純、誠実
主な産地
- ブラジル:高品質で色鮮やかな一級品の産地
- アフリカ諸国:
- モザンビーク:濃厚な色味と青みを帯びたローズピンク色が特徴
- ナミビア、マダガスカルなども重要な産地
- その他:アフガニスタン、スリランカ、アメリカ合衆国(メイン州)
特徴的な色味
- 淡いパステルピンクからサーモンピンク、オレンジがかったピンクまで多様
- 最高評価:青みが強く彩度の高いピンク色
- 多色性:光の当たり方や見る角度によって様々な表情を見せる
歴史
- 1910年頃:マダガスカルで最初のピンクベリルが発見される
- 1911年:ジョージ・フレデリック・クンツ博士によって正式に新種の宝石として認識される
- 命名:クンツ博士が著名な銀行家J.P.モルガンに敬意を表して「モルガナイト」と名付ける
- 1920年代:ニューヨークの上流社会で人気を博す
- アールデコ時代:モルガナイトを使用したジュエリーが流行
- 1950年代〜:ブラジルでの大規模な産出が始まる
- 1980年代:アフリカ諸国での産出が増加
- 2000年代:アフガニスタンやパキスタンでも良質な原石が発見される
- 2021年12月:日本宝石協会により4月の誕生石として正式に追加される
価値と評価
- 色と透明度が最重要
- 最高級:強いパステルピンク、インクルージョンが少なく透明度が高い
- 大きなサイズほど価値が高い
モルガナイトは、その柔らかな輝きと多色性で多くの人々を魅了し続けています。比較的新しい宝石ながら、その美しさと希少性から高い評価を受けており、今後さらなる注目が期待されます。持続可能な宝石としても注目を集め、カラーストーンブームの中で、その柔らかな色合いが再評価されています。
宝石言葉
モルガナイトの宝石言葉は「愛情」「優美」「清純」「誠実」です。これらの言葉は、モルガナイトの柔らかく美しい色調やその希少性から、人々に与える感情的な影響を表しています。特に、愛情や優美さを象徴する宝石として多くの人々に親しまれています。
モルガナイトは発見から100年余りの歴史の中で、その魅力的な色彩と希少性により、宝石界で確固たる地位を築いてきました。今後も、その独特の美しさで多くの人々を魅了し続けることでしょう。